膨大な資料作成コストをAIで解決

~ 半導体環境情報書類の自動生成システムの開発 ~

弊社で長年お付き合いをさせていただいているお客様の愛知の研究試験センター長様だった方からご相談をいただきました。
半導体を流通させる際には必ず「AIS」や「JAMA」「ChemSHERPA」などの環境情報に関するデータを作成しなければならないのですが、このデータ作成が非常に煩雑で手間がかかるばかりではなく、半導体構造と化学物性に関する深い専門的な知識をもった専門家が経験を重ねないと作ることが難しいとされ、多くの会社で頭を悩ませているというお話しでした。
弊社にご相談をいただく前に何社か打診をされていたということでしたが、採算が合わない非常に高額な見積であったり、そもそも開発不可能ということで断られたという経緯があったそうです。
過去に同社で販売管理システム連携の基幹業務システムを開発していたこともあり、まずはご相談に乗らせていただいたのですが、聞けば聞くほど難解な処理が多く、最初は弊社内部でも開発は不可能なのではないかということで一度お断りをさせていただきました。しかしながら、ご相談をいただいたお客様の熱い熱意と、途中から参加させていただいた調査委員会の多大なご尽力をいただくことで、膨大な専門家の経験則をシステムに反映させることが可能である見込みが立ち、結果的に100%の自動生成とはいかないものの、90%以上の自動変換を実現。手動でドキュメントを作成する場合に比べて驚異的に効率を高めることに成功し、現在は少なくとも日本では類を見ない最先端のシステムとして多くの環境ドキュメント生成のお役に立っております。
開発にあたって何よりも苦労したのは、専門家の膨大な知識と経験をどうやってシステムに反映をするかということでした。
1年にもわたって定期的に勉強会と会議を重ね、膨大な化学情報と法令情報と格闘することで精度の高いシステムを開発することができましたが、まさかこんなところで学生時代に詰め込んだ化学の知識が役に立つとは思ってもいませんでした。システム開発屋だからといって、コンピュータのことしか知らないということでは駄目だということを痛感した事例です。
どんなことでも無駄な知識ということはありません。これからもお客様の役に立てる知識の習得に精進して参りたいと考えています。

ポイント
・ 専門家の膨大な知識と経験を反映させるような難プロジェクト
・ 弊社以外にも比較検討をされたがコスト的、技術的に不可能とされていた
・ 弊社でも最初は難しいとしてお断りをしたが、お客様の熱意とお力添えで開発成功
・ 少なくとも日本発。もしかすると世界初の画期的システム。